たくみのブログ

いろんなものの備忘録

2020 BRM321 井川300

1月に走ったいちご200に引き続き今年2本目のブルベ。

いちご200からはシクロクロスをやっていたのもあって久々のロングライド。

今回もAJ静岡さんのブルベに参加。全然スタッフとかじゃないけど殆どブルベはこのクラブ開催のものに参加しているからホーム感を感じている。

 

そんななか、交通事故(チャリじゃなく原付)で救急搬送され2週間のニート期間を経て今回のブルベ

ただ、200を9時間フラットで走って翌日にシクロ出れるし…ってイメージが脳内にあるので

どうせ今回もまぁ行けるだろう

と…

 

走り終わってこう振り返って思うけど、いつもこんな勘違いをしてひぃひぃ声を上げてる気がする。

ある意味、毎回リタイヤせずに完走出来ているのがまた良くないと思う。

 

コースプロファイルとしては距離300の獲得標高3300mといった、まぁ普通に登るかなくらいのルート。

この数字だけ見れば「ふーん、登るじゃん」くらいだった、だったんだ…

 

2段階のスタート時間があって今回は後発の6:30スタート

5:30にはいつもの大井川河川敷の会場に着きたいがいい感じの電車があるわけないので、今回も自走することに。

前泊は600のときだけでいい気がする。

余裕を持って自宅を3:00に出発。

追い風の50kmはチンタラ漕いでも2時間ちょっとで着いた。

 

 

会場に着くと「今日も自走?」と会長さんから尋ねられた。

浜松から自走で来る人ってことで覚えられてる気がする。覚えられて貰えるのはとても嬉しい。

 

 

今回は巷で流行ってる某ウイルスの影響でいつもの円になってのブリーフィングはなし。その代わりにその内容が記された紙が渡される。

紙にはコース上の注意点が書いてあるが、

「獲得3300mのうち2400mは前半130kmに集中」

この文が一番自分の目を引いた。

薄々感じてはいたけど文字にされるとインパクトがヤバい

 

「ってことは130km走ればゴールか」

と考える。これも今考えればホームラン級のバカだった。

 

だけど今回優秀な点、それは輪行袋を持ってきたこと。

電車が走っていないとその神器も使えないので、ここでマイリミットタイムが決まる。

島田発の終電は11:41なので16時間30分以内に300km走ってこないといけない

じゃないとまた自走…しかも向かい風…

 

 

前置きが長くなったけど、ようやくスタート。

まずは40km先にあるPC1まで頑張る。

ここまで激しいアップダウンが続く。最初はパックになるのは仕方ないけど何故か自分含めて4人くらいで脚の削り合いの様相に。平地で機材の差で離され、登りでパワーウェイトレシオの差で追いつきの繰り返し。そんなノリのままPC1に着く。ここまで1時間30分、多分オーバーペース。ここで、30分前の先発組の過半数に追いつく。

このPC1から130km先のPC3までほぼコンビニは無いのでここで補給をしていく。おにぎりを2つを買って、家から持参したウイダー×4と共に背中に詰め込む。

 

この次は50km先のPC2があるダムゲートまでだが、どんな道なのか全く分からない。しかも序盤の削り合いのせいでスタミナがなくなってきている。というより、スタミナが切れるのがめっぽう早い、すぐバテる。

ハンガーノック気味の状態になってはウイダーをすすり…の繰り返しながら登っていく。

途中、長島ダムを望む景色は、赤い橋と濁った青い水面がいい感じにマッチしていて綺麗だったけど、止まったらまた漕ぎ出せる自信がなかったからスルー。

地図には大井川鐵道の駅「アプトいちしろ」の文字が。昔は長野ー群馬間の信越本線で使われていたが現在は日本でここだけ。最大斜度は90‰(斜度9%)らしい。そんなとこだから自転車でもキツい。

 

その大井川鐵道も井川で終点になり、そこからPC2は約20km離れたところにある。人里も段々となくなっていき、崖からは「ボロボロッ…」と音がするくらい頻繁に石が転がって来て路面は落石パーティー状態。途中でパンク修理する参加者の姿を何人も見た。

 

そしてやっとのことでPC2、畑薙ダムに到着。92kmで獲得標高1700mでもうヘトヘトになっていた。

もう2度と来たくない。

そう誓ったくらいしんどかった。

ただ、山の合間から見える南アルプスの雪山の景色と、ダム湖雄大さは見応えがあったのは確か。あとで写真を見返すと記憶を美化してくれる。本当に写真を撮っておいて良かった。

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ここで大井川の遡上を終え、一回井川湖まで戻る。そして今回のボス、富士見峠を登ってゆく。10km600mのプロファイル。登っている途中に水分切れとハンガーノックに襲われる。ヘトヘトになりながら登って、名前の通りさぞ綺麗な富士山を期待してたけど…

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富士山みえねーじゃん!

 

富士山が見えないことにガッカリしたけど、ここで登りは終わり、あとはもう楽でしょう(フラグ)

標高1200mもあるおかげでPC3までの40kmはすぐ着いた。

 

久しぶりのコンビニ…久しぶりのご飯…あったかい麻婆豆腐丼はとても美味しかった。何しろ久しぶりにサドル以外の椅子に座れたのが最高に嬉しかった。

スタート地点から170km、どうにかグロス20km/hを維持しながら走れている。登りではペースが落ちていたが下りで上手く回復できた。ただ、全力で補給せずに漕ぎ続けたときに起こる、目が霞む症状が左目に出始めた。これが悪化しないうちに、なるべく早くゴールしなきゃならない。

 

ほぼ静岡にあるPC3からは大崩を通って御前崎を経由して袋井まで戻ってくるルート。こんだけ登って来ると大崩程度の登りでは何も思わなくなって来る。

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大崩を下るとひたすら海岸線を漕ぐのだが、これがずっと向かい風。とりあえず御前崎まで風速7m/sのなか40km漕ぎ続けなきゃいけない事実にメンタルが持っていかれる。そしてこれを漕ぎ続けるスタミナはない。途中のコンビニで数分の休憩を入れて漕ぐ。

 

PC4の御前崎に着いたのは日が暮れはじめた頃だった。左眼が白く霞んでいるのは目の絞り機能が麻痺ってるからか暗くなると対向車のヘッドライトがめちゃくちゃ眩しくなる。ただ、あと70kmでゴール。袋井からは追い風で楽だ。そう自分に言い聞かせてこのコンビニでカレーとレッドブルを補給、40km先のラストPCに向けて走る。

 

PC4の直後、灯台を回ってから風は…より強くなった。部活だと逆側を追い風のなか涼しい顔で走るんだけど…

灯台から原発までの5kmほどの区間は踏んでも20km/hも出なかったけど、内陸に入ってからは風邪の影響が少なくなってペースも回復した。いつもだったらこの状況でも40kmくらい休憩なしで走れるけど、今回は病み上がり。途中で休憩を入れないと持たなかった。

 

やっとの思いでPC5の袋井、あと30kmちょっと走ればゴール。ここからは東に走り牧之原台地を登り金谷を下ってくるルート。予想通りの追い風で嬉しかった。だが、左眼が悪化してきて更には右眼もかすみはじめていた。白線がギリ視認できるレベルだったから早くゴールしたい。最後の牧之原台地への登りはキツかったけどこれも前半の登りに比べれば大したことなどなかった。

最後のR473の金谷を下るときに見える夜景はここまでの色んな感情も相まって凄く綺麗に見えた。(写真を撮る気力はなかった。そもそもあんまり見えてないので)

 

そして、長い長い300kmが終わる。21:29、スタートから14時間59分でゴール。全参加者中6番目、後発組だとトップだったらしい。何より電車に無事間に合ったということが一番嬉しい。

 

病み上がりでこのコース走るのはかなり厳しかったけど、このお陰で感覚は戻せたし、失われたスタミナも少しは戻ったのではないかなと思う。

何より静岡県内にこんなにもノスタルジーが溢れていて、スケール感の大きな場所が存在することに気付けたのが良かった。日帰りで行くとこじゃない気がするけど。泊まりでまた行きたい。

 

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