ずっと自転車ばかり乗っていたけど移動という観点から考えると限界が見えてきたからやっぱりエンジンが欲しかった。
ということで、20年くらい前のバイクを某オークションサイトでポチった。
中古で7万円。普通の原付で考えるとちょっと高い部類。
「ヤマハ YB-1」というバイク。この見た目でしっかり原付。だけど2stエンジンにMTというクセの強いやつ。
2stエンジンは環境への配慮の観点から現在発売されていないし、純粋なMT原付もHONDAのモンキーくらいで絶滅危惧種。
こんなロマンの塊みたいなバイクに乗れるのもそう長くはないだろう
パッと見綺麗そうなんだけど、錆びていたり劣化している箇所も多い。
…どこからか聞いた言葉
「チャリをいじれれば、車でもなんでもいじれる」
「昔のキャブ付きバイクは構造簡単だから」
これを信じて走らせながらレストア(という名の補修)をしていく。
まずはチェーン。見るからにサビていて伸び切ってやる気のない感じだったので交換。
ついでにスプロケも交換。
4速しかないのに30km/hでトップギアに入るのはいかがなものかと。
スポーツ自転車は外装変速だけど、バイクは内装変速。中のギア比を替えたい、というか5速を導入できればすべて解決するんだけど…
チェーンはなんと600円。チャリのチェーンどころかラーメンより安い。原付のチェーンサイズはだいたい「420」らしい。スプロケはKITACOというメーカーのもの。14Tということで元が12Tなので2つ歯が増える。
普通、バイクのマフラー(2stのはチャンバーって言うらしい)は右側についているのだが、このバイクは限定モデルということでチェーンと同じ左側についているスクランブラー仕様。
~スクランブラー~
砂利道を走る際、マフラーが地面近くにあると巻き上げる砂や塵がマフラーに詰まりやすいため、マフラーの位置を高くし排気口を上に向けたようなバイクが流行った。このスタイルがストリート系にも降りてきている。
チャンバーが邪魔でギアボックスを外すことができず、マフラーをずらさないと何もできない。厄介すぎる限定仕様。(※こうやってチャンバーずらした後はしっかりガスロケット部分を閉める)、ギアボックスのネジも全部同じ長さかと思ったらミリ単位で微妙に揃わないし。
Amazonで頼んだスプロケは規格があっているはずなのに口コミで、「1時間かけていれた」「嵌らない、設計ミスを疑うレベル」というコメントが散見される。
金属加工するのもだるいのである程度手で嵌めてからハンマーで叩き込んだら、なんということでしょう。綺麗に入りました。後で外す場合?知らないね
チェーンのほうはクリップ式と呼ばれる構造。自転車では「ミッシングリンク」って無駄に洒落た名前で呼んでいる構造、こういう名前のせいでややこしくなるのが分からんのかね。
これもAmazonのレビューで「簡単なクリップ式ですね、工具はいりませんよ」とかいうコメントがあったので信じてみる。
届いたチェーンにはクリップがついた状態なのだが、まずそれが取れない。そして、他のページを見る。「隙間をマイナスドライバーで抉ると外れます。」
…ちょっとやってみて気付く。これはどう考えても「外す」じゃなくて「破壊する」行為だろうと。
ちゃんと工具を買いましょう。「チェーンプライヤー」という工具です。1400円くらいで買えます。
ウソをウソと見抜けなかった自分に腹が立ったがチェーンを交換する。
1cmくらいたるむ程度が良いと言われているが、ちょっとくらいピンと張っても良くないかなと勝手な解釈をする。そしてほぼ遊びゼロで装着。これが後の悪夢を引き起こす原因となってきます。説明書はちゃんと読みましょう。
カバー類を元に戻して実走。
2馬力ぐらい上がった気がするし、燃費は27km/lから42km/lにまでUP。別の乗り物に乗ってる感覚がする。
ロードバイクでも良く言われるが、マシンを速くするのに一番手っ取り早いのは駆動系のクリーンアップなのだと。
あ、フロントスプロケ替えたから上り坂は登らなくなったけど斜度20%以下なら大体大丈夫。20%超えるとちょっとしんどい。
この交換作業の中で適当にやっていたポイントが悪夢を引き起こす…