9月末と結構前の話で時系列がおかしいけど
そもそもタイトルがミスリードな気がするが全行程含めた360km中340kmくらいは自転車乗ってるんだからあながち間違ってないと思う。他に良いタイトル思いつかなかったし。
[目次]
駒ヶ岳に行くまで
10月のある週末,どこかに旅行したい。ただ手頃に行けないところ,もしくはもう行ったところだったりするところが多く考えるのが面倒になってきたので,行き先決定ツールを使って旅行先を選定することにした。「ダーツの旅」方式である。
全国の市町村が1クリックすることで出てきてそこに行くだけ,という旅。しかし飛行機を使わないと行けないところは1泊2日だともったいないので,今回は静岡県とその隣県という縛りでダーツを投げる。
その結果選ばれたのが
「長野県宮田村」
長野県といえば自治体の数がとにかく多いので〇〇村!って言われてもよくわからない。しかも南北に長いから同じ長野といっても静岡からの距離は大きく違ったりする。宮田村は幸運なことに南のほう,駒ヶ根市の北に位置するらしい。ただ村の面積もそんなに広くなく,特にこれといった特産物もあるわけではない(りんごは有名だけど南信がそもそもりんごで有名)。これは捻り出すしかないなぁと思ったところ,村の西側に木曽駒ヶ岳がある。じゃあ駒ケ岳に登山すれば宮田村観光になるのでは?ということで1泊2日で駒ケ岳に登ってくるというテーマに決まった。
豊橋から出ている飯田線に乗っていけば数時間で駒ヶ根という駒ケ岳の麓の駅に着く。ここからバスに乗って駒ケ岳にアクセスするのが一般的なはず。しかしこの飯田線,7月の大雨による土砂崩れで平岡ー大嵐(おおぞれって読む)間で不通になっていた。(現在は復旧済み)
あと,単純に交通費を浮かしたいし,新調した自転車に乗りたかったしというもろもろの理由で自転車で行くことに。
1日目 浜松→駒ヶ根
浜松から駒ヶ根までは170kmほど。
だが長野県に静岡県から行くためには標高1000m級の峠を越えないとたどり着かない。
いくつかルートの候補はあったが考えるのが面倒だったから去年600kmブルべで走った道をそのまま使った。
新野峠を越えれば長野県、峠の途中に「六三」といううどん屋さんがいきなり現れる。サイクルラックがあったのでここで昼食にする。湧き水を使っているうどんはとてもおいしかった。店主の方によると開店後数年経っているらしいが、自転車で来た人は4人目だとか。
下ってすぐ飯田市だと思ってたけど手前の阿南町とか下条村で結構登る。前回走ったはずの道だが全然記憶にない。多分すごく辛かったのだろう。
そんなこんなで、アップダウン区間を終え天竜峡に到着。新しい自転車は良く進むので目的地の駒ヶ根まで早く着きすぎるので天竜峡観光をすることに。
ほっつき歩いていると、どうやら桜が咲くととても綺麗らしいが今は季節的に真反対。渓谷として見ると大井川上流とか四国の大歩危とかと比べると見劣りしちゃう感じ。このそびえ立つ岩は高さ70mくらいの一枚岩で竜の化身なんだとか。
天竜峡を出てから天竜川沿いを走る。🇫🇷の標識があった。飯田市との姉妹都市がフランスにある縁らしい。標識の反対に広がるブドウ畑からワイン関連だと思ったけど人形劇の街つながりらしいとのこと。
飯田市中心街を越え、広域農道を進む。ここもアップダウンの激しい区間だが周りのりんご畑の景色が新鮮なのであまり辛く感じない。途中でりんごが食べたくなってきたので直売所に寄った。ここの人に無理を言ってバラ売りしてもらった。9月末の時期は「秋映」という品種が旬で甘いのだとか。確かにめちゃくちゃお美味しいりんごだった。浜松に帰ってきてから「秋映」を買って食べたけどあの時ほどの感動はなかったからやっぱり鮮度ってあるのかなって思った。
寄り道して時間を潰したが16時には駒ヶ根に着いた。駒ヶ根はソースカツ丼が有名らしい、中でも「明治亭」が一番有名そうなので行ってみた。ボリュームがあったがそれだけではなく味付けもちょうど良くジューシーでおいしかった。
ついでに駒ヶ根高原を散策した。一応宮田村を目的に来ているので看板の前で写真を撮って証拠にした。「みやだ」村なんだね。この看板を見て初めて知る事実。
銭湯は「こまくさの湯」というところに行った。ゆるキャンでも登場した場所らしい。露天風呂から駒ヶ岳が見えるのがイチオシポイントらしいけどガスっていてよく分からない。お風呂自体はとても良かった。
ホテルのある駅前まで戻りこの日は終了。前泊みたいなものなのにとても満喫できた。
2日目 駒ヶ岳登山、駒ヶ根→浜松
…4時00分に起床。
駒ヶ根駅発でロープウェイ乗り場までのバスの始発が5時。
朝5時なのにそこそこ長い列が出来ている。駒ヶ根駅出発の時点でもうバスは一杯。始発を逃すと途端に人権がなくなるのである。ちなみに途中の停留所もバスが満員だとスルーされる。駒ヶ岳登山をするなら駅前に泊まったほうが良い理由である。
ちなみに始発バスを外すとロープウェイでも待たされることになるので登山前に無駄に疲れることとなる。
正直ロープウェイ乗り場まで自転車で行きたかったが自転車を含め一般車両は途中から通行止めになるのでそれは不可能らしい。
麓の駅も標高1600mあるので朝はだいぶ冷え込みが激しい。この日は10度もなかったはず、9月末なのに。
ロープウェイで2612mにある「日本で一番標高の高い駅」の千畳敷駅へ。バスから乗り換えたしらび平駅から7分とかで着く。頂上が2956mと考えると登山的にはかなり外道な気がするがガチ登山しにきた訳ではないのであまり深く考えない。
駅から出るとよく写真で見る千畳敷カールが。大した労力を払っていないのに異世界じみた風景を見ているのが不思議だが、とにかく迫力がすごい。上がガスっているのがちょっと残念。
しかも振り返ってみると雲海が。標高の暴力で現れる雲海とはいえやっぱり綺麗。
千畳敷カールにずっといてもロープウェイのピストン輸送で大勢の人が運ばれてくるので早々に上を目指す。ここから上は登山届が必要、WEBでも提出できる。頂上へ行くには千畳敷カールのふちの急勾配を登っていくしかないらしい。高地なのもあって階段はしんどいが沢山の人が通るので足場はしっかりしているのでコケることはなさそう。そういえば靴は登山靴っぽいSPDシューズで登った。シクロクロスで使われていること考えれば多少の登山なら耐え得るはず。
ひたすら登ると乗越浄土という千畳敷カールのふちの一番上に辿り着く。駅から降りてくる人がまるで〇〇のように見える…
ガスも晴れてきて「これぞ山!」って景色になってくる。
ただ頂上はまだなので先をゆく。
しばらく歩くとキャンプ場が。標高2900mでキャンプしている人がそこそこ沢山いてビックリした。パッと見で大体モンベルのテントだった。モンベルで売っている一見オーバースペックに見える装備もこういうところで生きるのだろうと感じた。むしろこんな過酷な環境で寝れる装備が10万円とかで手に入るモンベルって実は安いんじゃないかとも思えてきた。
キャンプ場を横目にしてさらに登っていく。日差しを遮るものがなくなってきて、強い紫外線をモロに浴びる。サングラスしないと結構しんどいレベル。結局千畳敷カールから1時間半くらい歩いて木曽駒ヶ岳に登頂した。登山しようと思わないと見えない景色がそこには広がっていた。中央アルプスの稜線が日光を浴びてとても美しい。ロープウェイを使っているからか、努力に対する景色の素晴らしさが大きすぎる。これは沢山の人が登山好きなるわ…壮大な景色すぎて笑いが込み上げてきた。
頂上は5℃、よく山の上でやる「ポテチ膨らみました〜」をやって見たかったので景色を堪能した後それをやってさっさ下山する。
ポテチの味は標高で変化なかった、強いていうなら冷たすぎて美味しくなかったくらい。
降りてくると行きに見たよりも綺麗な千畳敷カールが。夏が終わって微妙に染まっているのが良い。写真を見返すと本当に自分が撮った写真だっただろうかって疑うくらい、いい感じに撮れている。
千畳敷駅には売店とレストランとホテルがくっついている。このレストランにくっついているカフェでここの標高に因んだコーヒー、「2612コーヒー」を飲む。寒いところで飲むコーヒーは格別に美味しかった。このコーヒーよくよく考えると紙コップ一杯分で480円したが、そういうことを考えてはいけない。日本一標高の高いカフェで中央アルプスの雪解け水を使ったコーヒーなんだもん。
少し休憩を取ってからまたロープウェイとバスを乗り継いで下界に戻る。駒ヶ根に着くと時刻は午前11時過ぎ、物凄く濃い時間を過ごしたからか、1日が終わった感覚があったが、ここから170km自転車を漕いで浜松に帰らなくてはならない。
帰りは行きと同じ道だと面白くないので治部坂峠を越えるR153のルートを選択。峠の前のアップダウンはないけど、どこまで続くか分からない長い登りが辛い。登山で脚が疲労してさらに辛い。
治部坂峠越えたら愛知に入ってずっと下り。そう思っていたけど違うってことを覚えておきたい。一回平谷村に下るが、根羽村に入るともう一回登り。400mくらい登って愛知県豊根村にやっと入れる。豊根村に入ってちょっとしたらやっと下れる。
しばらく走るとR151と合流できるのでそこからは行きと同じルート。
結構苦労したし辛かったけど、観光をしなかったせいか帰りは7時間くらいで着いた。
カーボンバイクでの長距離は初めてだったけど、やっぱり速い。改めてカーボンバイクの威力を感じた。
これで濃い2日間の弾丸登山が終わった。
宮田村の中心街に行ってないから宮田村のことが分かったわけじゃないけど南信が好きになった。行きにくいから気合が必要だけど。
千畳敷カールは四季によってそれぞれの景色が見られるという。冬は流石に気軽にいけないけど春とか夏とかの景色は見てみたい。
締めのラーメン↓